最後のクエストイベント(トリップの日記)2

(前回までのあらすじ)


(さんざんな前振りの末、あっけなくぼこぼこにされる、今回の首謀者トリップさん)




クソ…結局、あけることなく名無しのプレゼントボックスを取り戻されてしまう。



たまり場に戻るメンバー達。どうやら、ギルマスのライカー、副ギルマスのハチマキ・冬日しか、中身を知っていなかったらしく…。
中身について、たまり場で説明をするらしい。


メンバーが、俺にも来てみないかと声をかけてきている…。



ちっ、ライカーがあんなに大事にする箱…。中に何が入っているのか、確かめてやろうじゃないか…!





たまり場に戻ると、ライカーがいた。俺のことを、初めてあったときのような優しい目で見つめる…。くそっ!

これだけのことをした俺を、なんだってそんな目で見るんだ!





イカーが、「名無しのプレゼントボックス」をそっとあけた。


中には…枝が入っていた。驚くメンバー。俺も正直驚きを隠せなかった。





イカー・ハチマキ・冬日の話によると、

どうやら…この枝は、ギルド立ち上げの頃にいたメンバーが、この世界を立ち去るときにおいていってくれた物らしい…。

その立ち去った人物が教えてくれた…「一緒に楽しむこと」を忘れないために、これまでずっと、大事にしてきたらしい。


イカーが「でも、今回ギルドについて、みんなが駆けつけてくれた。物じゃなくて、こういう絆が本当は大事なんじゃないか」とか
何とか言っている…。
そして俺に対して、「むしろ、色々あったけど、トリップにはそれを気づかせてくれてありがとうなのかも」とまで言ってやがる…。





俺は、なんだってこんなことをしてきたんだろう…。いつの間にか、そんなことを考えていた。

兄は、今でも俺を優しい目で迎えてくれた。

しかし…俺は、兄をそばに置いておきたくて…セルピコや、ユーリや、メンバーを巻き込み、何をしてきたんだ…。



自分への怒りがフツフツとわき、どうしていいかわからなくなってしまって…。

「トリップさんも、ギルドにきてみたら?」というメンバーの声を振り払い、

「ふんっ!!兄さんには、いつかボクの物になってもらうんだからねっ!!!」と捨て台詞をはき、その場を去った。


たまり場を後にして、モロクの街を抜けたとき、何故か涙が止まらなかった…。

それは、決してアーロンとか言う奴の「なんだツンデレやろうじゃないか。」という言葉で傷ついたんじゃない。

兄がまた離れる気がしたからじゃない。


俺は、今これから人生を1からやりなおしてみようと思う。

そして、いつかまたモロクに戻り、ヴィンランド・サガのメンバーと向き合ってみたい。

兄にも。


けっっけっして、「ごめんなさい…><」とか思ってないんだからねっ!